« 先ずは搬入から……@こまばアゴラ劇場 | トップページ | 本日の現場……@こまばアゴラ劇場 3日目 »

2009年11月 9日 (月曜日)

本日の現場……@こまばアゴラ劇場 2日目

20091109090041

--------------- パンフレットより転載 ----------------

 柴幸男

稽古をしていて一番面白かったのは、土井さんと龍さんの向こう側に20年の時間が見えたことだ。

「チャイニーズスープ」は1990年に上演され、本日19年ぶりの再演を迎えた。
1989年のベルリンの壁崩壊をモチーフに、失業した東西スパイの会話劇。
当時、土井通肇は50代で、龍昇は30代で、平田オリザは27歳で、僕は7歳だった。
ベルリンの壁については、もちろん理解などしていなかった。

そして今、土井さんは70代になり、龍さんは50代になり、その二人を27歳の僕が演出する。
この仕組まれた偶然には、やはり感慨深いものを感じてしまう。

戯曲は40代になった平田オリザが改訂した。
舞台はベルリンの壁崩壊から20年後。つまり今である。
我々が年をとったのと同じだけ、スパイ達も年をとった。
彼らもまた20年間、生き続けたのだ。
これはもはや再演ではなく、20年をかけた、新しい試みのような気さえする。

稽古をしながら僕は二人の向こうに20年前を見た。
そこには今よりも若い土井さんと龍さんがいて、僕と同い年の平田オリザがいた。
そして、僕は二人の向こうに20年先、いやもっと先も見た。
そこには40代、50代、70代になった僕がいた。

もし可能なら、今日から20年後に再々演するのもいいんじゃないだろうか。
舞台は2029年。僕は47歳、龍さんが70になって、土井さんは90だ。
もちろん、みんな元気だったらの話なんだけど。
でも案外、一番先にくたばっちゃうのは僕だったりして…。


-----------------------------------------------------------


 土井通肇

廃虚の様な海辺のレストランーー作品「チャイニーズスープ」の舞台だ。
そこを彷徨う私も今や、廃虚同然の有様……。
私は悲劇か喜劇か!? そんな事はどうでもいい。
にもかかわらず……。
私は今日も生きている。


-----------------------------------------------------------


 龍 昇

20年振りの土井さんとのお手合わせは、僕が怠けていたせいかもしれないが
押されっぱなしである。20年前よりますますパワーアップした土井さんは
虎のように迫ってくる。受けきれずに一呼吸おいてセリフを吐くと、演出の柴君から
「間を空けないで!」と的確な声が飛ぶ。「前門の虎、後門の狼」とはこの事か!!
この時間をどう誠実にやり過ごそうか身構える日々である。きっとオリザ氏は
「僕のギキョクが一番面白い」と言うんだろうけど…。


-----------------------------------------------------------


作:平田オリザ
演出:柴 幸男(青年団演出部/ままごと)

出演:男1 旧東側のスパイ 土井通肇(元祖演劇乃素いき座)
   男2 旧西側のスパイ 龍 昇(龍昇企画)

-----------------------------------------------------------

平田オリザ:1962年生まれ。劇作家・演出家。こまばアゴラ劇場芸術監督。1982年劇団青年団を結成。1995年に岸田國士戯曲賞を受賞した『東京ノート』をはじめ、多くの戯曲がフランスを中心に世界各国で翻訳・出版・上演されている。現在、内閣官房参与、大阪大学コミュニケーションデザイン・センター教授。


柴幸男:1982年生まれ。劇作家・演出家。『ドドミノ』で「仙台劇のまち戯曲賞」受賞。2007年青年団演出部に入団。代表作は『あゆみ』、短編集『四色の色鉛筆があれば』など。10月に「ままごと」を旗揚げ。何気ない日常の機微を丁寧にすくいとる戯曲と、ループやサンプリングなど演劇以外の発送を持ち込んだ演出が特徴。


土井通肇:1936年生まれ。早稲田小劇場(現SCOT)の設立に参加。1986年元祖演劇乃素いき座を創設。「日本語の中に内在する美意識の検証と復権。対話劇の再生と現代劇のリアリズムの探求」などをテーマに活動している。1991年から平田オリザ作の「阿房列車」を上演し、今年19年目を迎えた。


龍昇:1952年生まれ。演劇団(現・流山児★事務所)に在団後、1985年龍昇企画設立。俳優兼プロデューサーとして活動。2005年から「漱石プロジェクト」として夏目漱石作品を舞台化している。平田オリザ作品は、1999年「夫婦善哉」を上演、2007年「隣にいても一人」(帯広・演研)に出演した。

|

« 先ずは搬入から……@こまばアゴラ劇場 | トップページ | 本日の現場……@こまばアゴラ劇場 3日目 »

仕事関係」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184353/46716250

この記事へのトラックバック一覧です: 本日の現場……@こまばアゴラ劇場 2日目:

« 先ずは搬入から……@こまばアゴラ劇場 | トップページ | 本日の現場……@こまばアゴラ劇場 3日目 »